牛乳配達の音

牛乳配達の音

最近見かけないが、昭和40年代は牛乳配達のお兄さんをよく見かけた。だいたい早朝の時間帯ではあるが、牛乳瓶をガチャガチャ揺らしながら各戸に設置された牛乳箱に配達して回るのだ。そのガチャガチャという気ぜわしい音を眠い寝床の中で聞いたものである。

真冬の早朝などは、空が暗いうちから配達していて子供ながらに大変だなぁと感じていた。

さて、その牛乳であるが、当時は多くの家庭で牛乳を配達してもらっていた。必ず玄関脇に木箱で作られた牛乳箱が設置されていて、牛乳瓶2本が入る大きさであった。

当時は健康ブームを反映してか、牛乳以外でもヨーグルトやヤクルト、クロレラなどいろいろなものが配達されていた。

僕の家では、クロレラ飲料が毎日配達されてきた。牛乳箱とはいえ、こういった牛乳以外の物の配達にも利用されていたのだ。

近所の悪ガキがこういった各戸の牛乳箱を覗いては、配達されたばかりの住人がまだ受け取っていない牛乳を勝手に盗んで飲んでいたという事件もあったほどだ。まあ、子供のいたづらの延長ということで、警察沙汰にはならなかったのだが、こういった話はよく聞いたものである。

ところで冒頭にも書いたが、最近では牛乳配達はすっかり聞かなくなり、牛乳箱に至ってはまったく見かけなくなった。ある意味早朝の配達の音は僕の中での風物詩でもあったのだが、あらためて思うとやはり寂しくなるのである。

最近では電子化が進み、新聞配達の需要も少なくなっていると聞く。新聞のポストに投函される音も聞き納めかもしれない。