ランドセル

小学生時代はほとんどの人がランドセルを背負って通学した経験があると思うが、僕もその一人であり、ランドセルに関する思い出もたくさんある。
小学校入学時に初めて背負ったランドセルは、学習机を買ってもらった時と同じくらいに嬉しかったものである。真新しいランドセルは牛革の匂いがして、ピカピカに光っていたのを思い出す。
当時のランドセルは黒と赤の2つの色しかなく、暗黙の了解的に男の子は黒、女の子は赤といった具合になっていた。今でこそパステルカラーなど様々な色があり、非常に個性的なのだが、当時はそういう意味ではまったく個性がなかったのも事実である。
そんなランドセルも2年、3年と使っていくうちに汚れて傷だらけになっていく。今だからこそ使い込んだ革製品の魅力が分かるのだが、子供の頃は年数を重ねることに弾力性や艶のなくなったランドセルを煩わしく感じていった。
そして小学校高学年にもなると、ランドセルを背負うこと自体が恥ずかしくも思い、誰からともなく手提げバッグに変わっていった。
僕もそのパターンであり、手提げバッグの方がスマートでかっこ良いと思っていたほどである。
そうなるとランドセルの出番はますますなくなり、押入れの中で忘れ去られていくのだ。
最近の小学生はどうだろうか?今ではカラフルで個性的なランドセルもたくさん出ていているので、飽きることなく6年間を通じて背負っているのだろうか?
今は海外でも日本のランドセルが人気らしい。ハリウッドセレブまでがランドセルを買っていくらしい。
きっと愛らしくて実用的な機能性が評価されたのだろう。僕も大人になった今だからこそランドセルの魅力が分かる気がする。
小学生時代の思い出を残すために、ランドセルをミニチュアに加工して思い出の品として残すサービスも出ている。
こういったサービスがもっと昔からあれば僕も利用していたに違いない。いずれにしても、今でもランドセルは魅力的なのである。