地球儀

子供の頃から宇宙に対して並々ならぬ興味を抱いていたため、小学生当時買ってもらって嬉しかったものは地球儀である。
地球を通して宇宙の広がりや神秘性を追求することに対して、地球儀は格好の教材でもあった。一般的に地球儀というとアフリカはどこだろうかとか赤道はどこを通過しているのだろうかといったような、主に地理の勉強で使うイメージであるが、僕の場合は地球は宇宙を知る上での”基準”であり、実際に太陽光を当てては自転公転における角度を測ったりと、おおよそ地理とは無縁の使い方をしていた。
ところで、当時の子供達はほとんどの子が学習机の上に地球儀を置いていた気がする。遊びに行くと大抵の子の家には地球儀があり、埃をかぶっていた。入学祝いでおじいちゃんやおばあちゃんから買ってもらったというパターンが主であるが、しばらくするとオブジェというかインテリアの一部となっている。僕も例外ではなく、たしかに宇宙に関して調べ物したり気になった時こそ地球儀を回してみたりするのだが、たいていは机の上でインテリア化していた。
それでも、たまに眺めては宇宙旅行の空想をしていた。今は地球儀そのものを見かける機会が少なくなった気がする。そもそもインターネットのGoogleマップやGoogleEarthなどで情報は十分取れるからだろう。場合によっては仮装宇宙旅行もインターネット上で体験できてしまう世の中である。当時からしたら信じられない科学の進歩である。