田んぼの決闘

僕は今でもそうだが基本的に争いは好まない。だから、今までの人生で殴り合いの大喧嘩したのは1回しかない。それが小学校5年生くらいの時である。喧嘩の内容は忘れてしまったが、小学校の同級生で近所に住んでいてよく遊んだ友達との取っ組み合いの喧嘩だった。
割とリーダー格で、後輩が着いて行くタイプの子だったが、僕が何らかで逆らったのが気に食わなかったらしい。その子に喧嘩を挑むような子はあまりいなかったから、本人もある意味驚いていたと思う。
ところで、喧嘩は果たし合いのように、予め二人の間で日時と場所を決めた上で行われた。
場所は前回このブログで紹介した平(たいら)のおじさんさんの田圃だ。稲刈りも終わり、決闘するには絶好の場所だった。
髪の毛を掴んだり蹴飛ばしたり、ルール無用だった。
結局、双方とも最後には決定打を下し、二人で泣き叫んだ。
まぁ、決着着かず泣き分かれといったほうが妥当だろう。
かなり激しい喧嘩だったと思う。
しかし、そのような遺恨を残すような喧嘩であっても、子供は本当に不思議である。
翌日になったら午前中こそ多少のぎこちなさはあったが、下校時間くらいになると何事もなかったようにどちらからともなく声をかけ、今までどおり仲良くなっていた。当時の子供の喧嘩はあっさりしていてよい。今の時代の陰湿ないじめなんて全くなかった時代だ。