自転車

子供時代に感じた達成感は2つある。一つは補助輪なしで自転車に乗れたとき、そして二つ目は初めて泳げたときである。この二つは子供時代にとって大きな嬉しい出来事である。
初めて補助輪なしの自転車に乗れたのが、たしか小学校に入学する直前くらいであったと思う。近所に住む僕と同じ歳の子は僕を含めて男女5人いたが、僕は2番目だったと思う。自慢するわけではないが、補助輪なしで自転車に乗ることは、当時の僕たちの中では十分自慢できることであった。
何気なく遊んでいる中で、本人も気がつかないうちに何となく乗れていたといった感じである。あの時の感覚が今でも新鮮に感じる。子供心に大きな達成感を感じた瞬間だ。この言葉が妥当かどうかわからないが、また本当に当時そう思っていたのか分からないが、「自由」を感じた瞬間なのかもしれない。自転車に乗れることで行動範囲が格段と広くなったからだ。自転車に乗ってどこまでも行きたいような気持ちになったことは覚えている。
小学生の子供にとって自転車はとても大事なツールである。パソコンやTVゲームなど何もなかった時代、自転車は子供たちにとって必須のアイテムでもあり、友達同士のコミュニケーション、そして何よりも未知の世界をつなぐ特別なものであった。
僕は自転車さえあればどこまでも行けると信じていた。少年時代の冒険心をくすぐる大事なアイテムであった。それが、オートバイ、そして車へとつながるのだ。だから今でも自転車はもちろん車やオートバイも大好きだ。そこには「自由」と「冒険」があるからだ。