将棋

初めて将棋をやったのは小学校低学年くらいだと思う。あまりよく覚えていないが、たしか祖父に教えてもらった。将棋といっても本格的なものではなく、教えてもらったのは挟み将棋や回り将棋だ。
とくに挟み将棋は面白くて何回も祖父や弟とやった。
本格的な将棋は高学年になってからだと思う。学校帰りに平(たいら)さんという農家の子供好きなおじさんに教えてもらった。僕達は下校途中に平さんの家に寄り道し、1時間余り過ごすのが日課になっていた。今思うとかなり迷惑だったと思うが、いつも笑顔で僕達の相手をしてくれていた。おじさんの趣味はもちろん将棋である。だから、早く覚えて強くなり、おじさん相手に本格的に勝負したいと子供心に思っていた。結局一度も勝てることなく、僕も大人になり、東京に出てきてしまったわけであるが。
あれ以来、本格的な将棋はやっていない。ファミコンが流行った時代にコンピューター相手に対戦したくらいである。将棋は奥が深い。だからこそ面白いのである。コンピューター相手でもなかなか勝てるものではない。こんな思い出を綴っていたら久しぶりに将棋をやりたくなってしまい、先日PS4の将棋ゲームを購入してしまった。
久しぶりなので駒の動きすらも忘れかけていたが、やはり面白い。子供の頃は単純にゲームとしての面白さを求めて遊んでいたのだが、それから数十年経った今、何よりもこんなに頭を使うものだったのかと今更ながら思い知った感じである。
これからしばらくは夢中になりそうである。