スーパーカーブーム

スーパーカーブーム

小学校6年生頃だったと思うが、スーパーカーブームがあった。これは日本国中の青少年たちが夢中になった一大ブームである。当然僕の住む片田舎にもこのブームはやってきた。

テレビ番組でもよく特番でスーパーカーを紹介していた。イベントでもモーターショーのようなものがあちこちで開催され、賑やかにブームを盛り上げていた。

当時僕たちがタイムリーに読んでいたのが、池沢さとし先生のコミック「サーキットの狼」である。後から知った話であるが、この「サーキットの狼」がブームの火付け役みたいである。仲の良かった友達がこの「サーキットの狼」の大ファンで、よくコミックを貸してもらって僕も夢中になって読んでいたから、登場するスーパーカーには密かに憧れていた。

そんな中でのブームだから、当然その世界にしっかりと浸かってしまったのである。

駄菓子屋でも、景品類はスーパーカーにまつわるものがほとんどであり、僕ら高学年生はなんといってもプラモデルや写真に夢中になったものである。

プラモデルは当時安くても500円だったから、そうそう簡単に買えるものではない。だからお年玉で買うか小遣いを貯めて買うしかなかった。あの時ほどまじめに貯金したことはなかったのではないだろうか。

やはりランボルギーニカウンタックLP400やLP500、フェラーリ512BBなどが根強い人気だったのだが、僕はBMW2002やポルシェ934といったところがお気に入りだった。プラモデルも買って作るだけではなく、走らせて友達と競争したり、自分なりに専用の塗料で入りを塗ってカスタマイズしたりと、かなりの熱の入れようだった。そして、大人になったら絶対にスーパーカーを買うんだと周りに宣言していたのだ。