球団のバッヂ

たしか小学4年生か5年生の頃だったかと思う。プロ野球チームの球団バッヂが流行った。
誰が発端かどんなTV番組から話題になったのかも知らないうちに、いつの間にかブームになっていたという感じである。
駄菓子屋に行くとぐじ引きの景品に球団バッヂがあったと思う。
僕なんかは明確に贔屓の球団こそなかったが、コレクター魂に火がつけられるのは容易かった。いろいろな球団のいろいろなバッヂを集めれば集めるほど、もっと稀少な誰も持っていないバッヂを手に入れるために駄菓子屋に通い詰めたものである。
集めたバッヂは野球帽にピンで留め、野球帽がバッヂで埋め尽くされるほどだった。
なんだかんだで30個ほど集めたと思う。30個という数字は今では多くは感じないが、当時の小学生にしてみたら少ない小遣いの中からバッヂを30個集めるのは至難の技だった。
そんな球団バッヂブームも1年も経たずに下火になり、その内に誰も見向きもしないようになるのだが。とにかく、男の子はコレクションというか集めることが好きなのである。